藤井佳朗
1985年、愛知学院大学歯学部卒業。初代学長・小出有三賞受賞。1989年、同大学大学院修了。歯学博士。2000年に新神戸歯科を開院。2009年、国際鍼灸電気治療大学フェロー認定。2018年、歯科/統合医学国際会議会長。口腔環境を改善し脳機能を改善させる「脳歯科」の普及に尽力し、国内外で多くの講演活動を行っている。
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※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

INTERVIEW

当クリニックに来院する患者の8割は女性です。年齢層は中高年の方々を中心に、キャリアウーマンから主婦層まで幅広くいらっしゃいます。そして皆さんが訴える症状の多くは、体がだるい、肩・腰が痛い、眠れないなどといった慢性的な悩みを抱えるものが大半。社会進出する女性も増え、デスクワークで姿勢を壊す方も多いと聞きます。また、育児や介護疲れによる不調で悩む方も多いでしょう。当院は、そうした多くの女性の皆さんを応援するクリニックでありたいと考え、口腔環境を改善させることにより様々な不調を改善してきました。口腔バランスがどう身体に影響を及ぼすのか。その重要性をぜひ知っていただきたいと思っています。

藤井佳朗

医療の新しい可能性

働き盛りの女性の3人に一人が、体に何かしらの不調を抱えて生活していると言われています。そうした不調が改善されない原因が「口の中」にあると言ったら、驚く方も多いでしょう。
BC400年頃の古代ギリシャ時代、近代医学の始祖・ヒポクラテスは、歯科医療によって慢性関節炎が治ったと報告しています。死亡した26代ルーズベルト大統領の死因は、「肺窒栓症」でした。その原因は1本の虫歯だと言われています。
あらゆる病の原因は「口の中」にあるかもしれないという疑念が、医療の新しい可能性を開く鍵になる。そのことをぜひ知るべきなのです。

「治らない」を「治る」にするために

藤井佳朗 単純な姿勢のずれ一つで、体がだるくなったり、腰痛を発症したり、体に悪影響を与えます。しかし噛み合わせを整えるなど、口腔バランスをほんのすこし改善するだけで、慢性的な肩こりや腰痛がいとも簡単に治ることがあります。我々は開院から18年間、そうした多くの症例を目の当たりにしてきました。
そして現在では肩こり、腰痛などの不定愁訴と呼ばれる症状を治すだけでなく、難病や奇病を治してほしいという悩みを抱える患者さんも全国各地から来院されます。どの病院に行っても「治らない」と結論付けられた患者の皆さんのなかに、元気になって帰られていく方もいます。
現代の医療では全治不可能と言われる病もありますが、なぜ「治らないのか?」を問い正すと、「薬を処方しても治らない」という答えが返って来ることが多いです。症状を押さえればそれでよく、本当の原因を追求しようとしないのです。
まず原因を知るためには、全身を診なければいけません。身体は部位でバラバラになっているわけではなく、すべてが繋がっているからです。
例えば靴のソールの厚みに左右差があるとします。すると左右の足の長さは変わります。足の長さが変われば骨盤は傾き、腰痛を起こす原因になります。しかし、その事を無視して腰のレントゲンを撮影し、電気で刺激したり、マッサージをしたところで、腰痛は完治しないでしょう。原因治療は靴のソールの厚みを左右均等にすることです。つまり靴屋さんが治療を担う主役になるべきなのです。
私は歯科医ですが、歯の高さが左右で異なれば、重い頭が傾きます。それが原因で首や背骨、腰などに痛みが生ずれば、その痛みは歯科でなければ治せない。歯科といえども、常に体全体のことを考えながら医療に向き合うことは、医師として当然のことだと思っています。

口腔バランスの重要性

藤井佳朗 今後は、後進の育成にも繋げていかなければいけないと思っています。もちろん経験則や日々の研鑽は必要不可欠ですが、当クリニックの設備をみても分かる通り、特別な設備を備えているわけではありません。マッサージベッドがあるくらいで、いたって一般的な歯科クリニックと同等の設備を有しているだけです。技術さえあれば、設備投資無しで、すぐにでもできる。それが私たちの行っている医療なのです。
姿勢の歪みによる腰痛や肩こり、生活習慣病や難病奇病に至るまで、様々な悩みを抱えている女性もたくさんいらっしゃいます。だからこそ、原因はもしかしたら口の中にある。治療の選択肢として歯科があることを知ってもらいたい。多くの女性の皆さんが健康でいきいきと人生を謳歌してもらうためにも、口腔バランスの重要性をぜひ知ってもらいたいですね。