金子靖代
1984年シーボン.札幌支社へ入社。美容社員として配属。翌年、東京本社へ異動し、ネイルサロンに勤務。ネイリストとして活躍後、美容部教育担当となる。1989年化粧品開発を希望し企画室を立ち上げ、現在の主力製品「フェイシャリスト」シリーズの開発に携わる。その後、取締役に抜擢され管理部を担当。2002年に専務取締役、2004年に取締役副社長を経て、2005年に代表取締役社長に就任。2009年にはジャスダック上場、東証2部を経て、2013年に東証1部に上場。
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INTERVIEW

女性が使用する化粧品に携わってきた当社にとって、女性の視点を大事にすることは創業時から当たり前のように続けてきたことでしす。そのため工場にも女性スタッフが多く在籍しており、そうした環境がより効果的な化粧品の開発や優れた安全性にも繋がっています。そして何よりも重要なことは、働く人たちの満足度を高めていくことです。どれだけ働く女性の数が世の中に増えていっても、働きがいのある環境を用意できなければ意味がありません。そうした考えを一つの指標にしていきながら、今後も女性が輝ける会社として成長を続けていければと思っています。

金子靖代

ES向上推進室における役割

昨今では多くの企業で女性活躍を推進するため動き始めていますが、女性比率は高くても女性管理職比率が低いというところも多いのが現状のようです。しかしその中で、当社の女性比率は90%以上、女性管理職比率は85%以上に上ります。これは上場企業の中でも圧倒的に高い比率と言えるでしょう。時代とともに働く女性が増え、それに伴って女性の管理職も増えていったということです。そのため私自身が代表に就任した当時も、女性を活躍させようと意識していたわけではありませんでした。男女問わず、能力がある人をしっかり評価できる会社にしていきたいという思いが強かったというのが正直なところです。そして能力のある社員に長く働いてもらいたいという思いから、ES向上推進室を設置。社員満足度を上げるための様々な取り組みを行っていきました。多くの会社ではトップダウンで制度をつくっていきますが、実際には現場まで浸透していないことも多いと聞きます。その双方をつなぐ役割をするためにもES向上推進室を設置し、社員の満足度を高めていこうと思ったんです。

制度より大切な社員満足度

金子靖代 どんなに優秀な制度をつくっても、それが活用されていなければ意味がありません。たとえば時短制度を導入したことで、早く仕事を終えて帰る人が周囲からの冷たい視線に晒されるのであれば、それは働きづらい環境ということになってしまいます。つまり支える人と支えられる人、お互いが理解して助け合う風土がなければいけませんし、そうした環境が整わなければ制度が活用されているとは言えないのです。だからこそ当社では、制度をつくることよりも情報発信や情報収集を頻繁に行い、双方が理解を深めていく活動を大切にしています。その実例の一つとなるシーボン.ファミリー・デイでは、社員のご家族を店舗に招待し、実際に働いている姿を見ていただくことで、周囲の理解を深めてもらっています。女性社員のご主人やお子様が「お母さんはこんな仕事をしているんだ」ということを間近で体感してもらうことで、そこにいたわりの気持ちが生まれます。社員同士も同様に、それぞれが置かれた環境を理解し、助け合いの精神を持つことで、たとえ時短で早く帰る管理職がいても社内に歪みが生じないんです。

60歳以上でもセカンドキャリアを

金子靖代 現代社会では介護に直面する世帯も増えてきており、女性が長く同じ条件で働くことが難しい現状もあるかと思います。体力的に考えても、女性が長時間働くことは難しいでしょう。そのため当社ではショートタイム制を導入しているほか、定年を延長することで60歳以上の方でも働けるような環境づくりに努めています。短時間しか働けないから評価しないのではなく、短時間でもちゃんと成果を出せば評価してあげられるような会社でありたい。女性ならではの経験や知識を長く活かしていけるようなセカンドキャリアを描ける環境づくりを心がけているところです。現状では管理職になりたがらない女性の方々も多いようですが、今後は女性のロールモデルが必要とされていく時代でもあります。どんどんキャリアアップしていきたいという意欲を持った方々を当社では求めていますし、その受け皿となれるような組織として、今後も女性活躍を積極的に推進していきたいと考えています。