青山朝子
1994年に国際基督教大学(ICU)在学時に公認会計士試験に合格し、監査法人トーマツにて監査業務に従事。2001年にオハイオ州立大学にてMBAを取得後、メリルリンチ日本証券の投資銀行部門にて国内外のM&Aアドバイザリーを行う。2004年に日本コカ・コーラに入社し、財務本部、経営戦略本部を担当後、M&Aを推進する部門を立ち上げた。その後、39歳の若さで東京コカ・コーラボトリング株式会社の取締役 CFOとしてファイナンス全般を統括し、日本のコカ・コーラビジネスにおいて初の女性取締役として活躍。コカ・コーライーストジャパン株式会社の常務執行役員 財務経理統括部長を歴任後、2017年より現職。既婚。2児の母親でもある。
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INTERVIEW

女性の中には、管理職やリーダーへの登用に尻込みしてしまう方が多いという意見も耳にします。私自身もキャリアを積んでいく中で、たくさんの迷いもありましたし、たくさんの失敗もありました。決して順風満帆だったわけではありません。子育てをしながらキャリアを積んでいく中で、何度も辞めようと思ったこともあります。でも知ってほしいことは、そうした不安を乗り越えた先に、楽しい世界が広がっているのだということ。だから臆することなく、細く長く継続してみてください。我々もその助けとなるために、女性活躍の推進を続けていきたいと思っています。

青山朝子

危機感から生まれた、「チームGOLD」

コカ・コーラ ボトラーズジャパンの従業員数は現在25,000人を数え、女性比率は11%、そのうち管理職は4%という比率になっています。まだまだ女性の割合は少ないと感じているところです。
現在は国をあげた女性活躍推進の動きが活発になってきており、女性比率30%を目指すという具体的な数値目標も掲げられています。当社もそのための取り組みを加速させていくために、いくつかのプロジェクトを進行している最中です。
具体的な事例として一つ挙げられるのが、「チームGOLD」の活動です。これは当社の前身でもあるコカ・コーライーストジャパンが2013年12月から草の根的に進めてきた活動ですが、当時は女性活躍の場も今よりずっと少なく、女性管理職の数が10名を切っていたような時代。そうした危機感から生まれたアクションでした。

女性活躍推進に向けたプロジェクト

青山朝子 私はそうした状況を打開するため、真っ先に当時の社長に女性の活用についての意見を求めました。組織としてある以上、社長やシニアマネジメントのコミットメントがなければ、なかなか前には進まないということを感じていたからです。「Nice to have(やったらいいよね)ではなく、Must have(やらなければ)という気持ちをお持ちであればぜひやらせてほしい」と、率直な思いを伝えたんです。それに対する社長の返答は明快で、「会社を成長させていくうえで女性の活躍は絶対に必要。ぜひ女性の活用を推し進めてもらいたい」ということでした。それを機に、草の根的な活動から会社全体のプロジェクトとして認めていただき、2014年からチームGOLDを本格的にプロジェクト化。1年目で認知を広め、2年目で具体的なアクションを起こし、3年目で各部門ごとのニーズや課題を拾い上げ、現在もプロジェクトは継続中です。その他にも、今年4月にはウィメンズデーと称して各業界の女性リーダーを社内外から招待し、女性社員に向けた300名規模のパネルディスカッションを開催するなど、様々な活動を続けています。

多様化する時代を受容する会社

青山朝子 当社では、女性活躍を中心としたダイバーシティの活動を通じて、多様化するお客様のニーズに応えていきたいと考えています。そのためには、我々自身が多様性を受け入れていく必要があります。会社の重要な意思決定の場に女性が参加していくことも大切ですし、それにより多様な意見やアイデアが出ることもあるでしょう。
ダイバーシティ=女性活躍だとはもちろん考えていませんが、女性活躍を推進できない会社がダイバーシティを推進していくことはできないと思います。つまり、真のダイバーシティに向けたシンボリックな前進として、女性の活用が求められているんです。
私自身も二人の子を持つ母でもありますが、それを理由に何かをギブアップするということはしたくありません。