堀江章子
1993年に慶應義塾大学法学部政治学科を卒業し、アクセンチュア入社。1995年にコンサルタント、1999年にマネジャー、2007年にマネジング・ディレクターに昇格。2014年には インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)統括 執行役員に就任し、取り組みを指揮。2016年アジア・パシフィック証券グループ統括に就任、現在に至る。
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INTERVIEW

私たちは総合コンサルティング会社として、お客様のビジネス変革を支援しています。急速なデジタル化と激化するグローバル競争の中、お客様からの様々な要望にお応えするためには、まずはアクセンチュア自身が多様であることが不可欠です。人材が唯一の資産であるアクセンチュアではダイバーシティを経営戦略のひとつと捉え、社員一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮できる企業を目指しています。そうした中で、女性も安心して、訪れるチャンスをどんどん掴んでいってほしい。チャレンジすることに躊躇しない、そんなキャリアを歩んでいってほしいと考えています。

堀江章子

新たな価値を生み出すダイバーシティ

アクセンチュアがインクルージョン&ダイバーシティ(I&D)を推進していく中で、ジェンダーの多様性(女性活躍推進)は大きなテーマのひとつです。グローバル全体では2025年までに社員の男女比を50対50にするという目標を掲げており、そうした取り組みの成果が社会に向けた新たな価値になると期待しています。2017年12月末時点で、日本オフィスでの女性比率は30.2%で、女性管理職比率は15.5%。まだまだ女性比率を上げていくための取り組みは必要ですから、今後も女性の活躍を支援する環境づくりには力を入れていきたいと考えています。日本オフィスが女性活躍に注力し始めたのは、今から12年前の2006年のことです。「ジャパン ウーマンズ イニシアチブ」という社長直下の社内横断組織を発足させ、男女が同等の機会を得られるような施策を導入していきました。現在ではプロジェクトに女性が在籍するのはごく当たり前となり、マーケットに半数いる女性の声を反映したサービスをお客様に提供しています。

重要なことは、女性ではなく個性

堀江章子 とはいえ私自身がキャリアを歩んできた中で、仕事における男女の違いを感じたことはありませんでした。自分の強みや個性を他者にどう認識してもらうのかということが重要で、"女性として"ということよりも、働く人それぞれの個性や強みに焦点を当てていくべきだと考えています。しかし日本社会では、女性がマイノリティとして扱われるシーンがまだありますし、それによって生じる軋轢も少なからずあるでしょう。たとえばアクセンチュアの調査によると、日本国内で女性が10,000円を稼ぐ間に、男性は22,900円を稼ぐというデータも出ています。このデータは就労している男女の所得格差だけではなく、女性の就労率が男性に比べて少ないという見えない所得格差も含めたものです。しかし、そうしたギャップを埋めていくために議論を交わしている国も多々ある中で、日本ではまだ女性比率を上げていきましょうという段階。そうした観点から見ても、まだまだ女性活躍の余地はあるなと見ています。

アクセンチュアに根付く、チャレンジできる環境

堀江章子 私自身はアクセンチュアに入社当時、執行役員を目指していたわけではありませんでした。就任の打診を受けた時は、「まさか自分が」という思いが強かったですし、日々の積み重ねや色々な方々とのご縁が現在の立場に繋がったにすぎません。しかし今振り返ってみても思うのは、とにかく自分がやりたい思うことに対して、色々な形でチャンスをいただけたなということです。当社には「キャリアズ マーケットプレイス」という制度があります。社内で別のプロジェクトに挑戦してみたいという気持ちがあれば手を挙げることができる、いわゆる社内転職のような仕組みです。この制度には、柔軟に社員の挑戦を受け入れ、「女性だから」ではなく、一人のプロフェッショナルとして評価する会社としての姿勢が表れていると思います。それがアクセンチュアの社風であり、私がここまでキャリアを積むことができた大きな要素にもなっています。社会においても、"女性を受け入れる雰囲気"をつくっていくことがとても重要だと思いますし、アクセンチュアの考え方が社会における女性活躍推進に役立つことがあれば、どんどんアイデアを提供していければなと思っています。今後アクセンチュアでは、女性役員の比率も増えていくでしょう。私たち女性の活躍が、今後社会に進出していく多くの女性にとっても、大きな励みになってくれたらとても嬉しいことです。