中村江里子
1969年生まれ。東京都出身。立教大学経済学部卒業後、フジテレビのアナウンサーを経て、フリー・アナウンサーとなる。2001年にフランス人のシャルル・エドワード・バルト氏と結婚し、生活の拠点をパリに移す。妻であり、2児の母でもある。現在は、パリと東京を往復しながら、テレビや雑誌、執筆、講演会等などの仕事を続ける。
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INTERVIEW

私は現在、生活の拠点をフランスに置いていますが、女性が活躍できる場は日本に比べても圧倒的に多い国だと感じています。その要因は、女性活躍のための社会制度が整っているというだけではなく、社会全体が個人の主義を大切にし、たとえ結婚や出産のタイミングで仕事を続けづらくても、本人の意向さえあれば「続ければいいじゃない」という、ある種楽観的で、柔軟な考え方が根付いているからだと思います。あまり殻にこもらずに、自分を許し、自分の可能性を信じていくこと。少し内気な傾向のある日本の女性だからこそ、そうした心意気が大事なのではないかと思っています。

中村江里子

女性活躍を望む、フランスと日本の違い

ここ数年、管理職を任される女性も徐々に増えてきており、マネジメントで力を発揮する女性も多くなってきています。女性には特有の柔らかな雰囲気があると思いますし、そうした”女性らしさ”は人間関係を円滑に進める上でもかなりプラスになるでしょう。
ただ日本に目を向けると、女性活躍という点では少し後れをとっている面もあるようです。結婚や出産と言ったタイミングで仕事の継続を悩む方が多いようですし、それを理由に仕事をリタイアされる方もいますよね。しかし私の住むフランスでは、そうしたネガティブな発想を持つ女性は少ないんです。そもそも仕事と生活の間で悩む必要なんてない、というような発想を持っている方が多くいるくらいです。

個人主義を大切にしていくこと

中村江里子 とは言え、そんなに楽観視することもできないのですが、国や性別を問わず共通して言えることは、人の生き方はその人が決めるのが当たり前だということ。とくにフランスは個人主義国家なので、そうした考え方は浸透しています。悪く言えばわがままなところも多いのですが、自分がわがままなら、周りのわがままも許すという風潮があります。女性のキャリアを考える上では、そうした良い意味での個人主義も重要になってくるのではないでしょうか。
またフランスでは、どこへ行くにも夫婦、恋人同士が基本です。いわゆる「カップル社会」が確立されているんですね。それゆえ男女平等の価値観が重要視され、仕事の場でも女性が積極的に意見を主張できる環境が整っています。男性側の理解や社会の理解も、女性活躍のために必要なことなんです。

自分の生き方を決めるのは自分

中村江里子 個人の生き方を尊重することは、「色々なものに縛られて活躍できていない」と感じる女性を解き放つ大きなきっかけにもなるはずです。「私はこういう生き方がしたい」「こういう仕事がしたい」という願望は、別に恥じるようなことではありません。
私自身は元フジテレビのアナウンサーとして働いた後、現在はタレントとして、フリーのアナウンサーとして、そして子を持つ母として仕事と家庭を楽しく両立しています。また、ライフワークとして取り組んでいるフランス・パリ発のパーソナル雑誌では、日本の女性に向けて豊かなライフスタイルについての情報発信を行うなど、あまり型にはまることなく自分の働き方、自分の生き方を自分の意志で決めています。
当然、仕事になればプロとしての責任を求められるので、それには応えていかなければなりません。ただ、私も昔はそんな時期を経験しましたが、「仕事のために家庭を犠牲にしている」という負い目を感じるのはよくありません。「仕事でこれをしなければいけない、それなら家事はこれくらいでいいか」という形で、完璧を求めずに自分自身を許していくことが、良い仕事、良い生活に繋がるのだと今は思っています。
細やかな気配りができたり、物事の伝え方一つとっても柔らかく伝えることができる点は、女性の良さでもあります。とくに日本の女性にはそうした良さを持った方がたくさんいらっしゃるわけですから、あまり悲観せずに、自分の生き方をどんどん貫いていってほしいですね。