- 竹増貞信
- 大阪府池田市出身。大阪教育大附属高池田校舎、大阪大経済学部卒業。1993年、三菱商事入社。グループの米国豚肉処理・加工品製造会社や三菱商事広報部、同社社長業務秘書を経て、2014年にローソンに転じ、代表取締役副社長に就任。2016年6月から現職。
- https://www.lawson.co.jp/company/
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。
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女性はいつの時代においても、トレンドリーダーです。たとえば我々が販売展開しているスムージーは、一秒に一本が売れていくようなヒット商品になりましたが、これは女性が開発担当者で、女性の視点を多く取り入れながら誕生した商品でした。女性は健康志向が高い方も多く、非常に世の中の流れに敏感な印象があります。それがトレンドを生むきっかけにもなっているのでしょう。とくに小売業界では、女性ならではの視点が非常に大事な鍵を握っているのです。今後もそうした活躍がさらに社会を活性化し、ひいては世界における日本の価値を押し上げていく大きな力になっていくと信じています。我々もそのための取り組みや環境改善に注力していきながら、その後押しをできる企業であり続けていきたいと考えています。
私が社会に出た1993年当時、女性がのびのびと働く環境が整っていたかと聞かれれば、そうではなかったと思います。男女雇用均等法が施行されたのも1986年でした。
しかし今、女性が自然体で働くことは当たり前の社会です。明確なキャリアアップを描いて入社される方も多くなりました。これは大変喜ばしいことですし、頼もしいことでもあります。その影響により社会全体も大きくレベルアップしているのではないでしょうか。
実際に我々のお客様や店舗で働くクルーのみなさんも、女性の比率があがってきています。FC店舗のオーナーのみなさんも男性ばかりというわけではなく、女性がオーナーというお店もどんどん増えてきています。実際に社会を見渡せば、既に多くの女性の方が活躍されていらっしゃるわけです。あたり前のことですが女性がいなければ、仕事は成り立ちません。
ダイバーシティを経営理念の一つに掲げる当社にとっても、そうした性差や国籍に捉われることなく、多様な価値観を受け入れ、よりフレキシブルな環境づくりを用意するということは、ごく当たり前のこと。それが今の社会の常識なのだと思っています。
そんな中、東洋大学から発表された「女性活躍インデックス法人ランキング2017」で1位に選出していただいたほか、経済産業省と東京証券取引所が共同で企画されている、女性活躍推進に優れた上場企業を選定する「なでしこ銘柄」において、4年連続で選定していただきました。これは大変光栄なことですし、今後も評価を受けるにふさわしい企業になるべく、もっともっと女性が活躍できる取り組みを継続していきたいと考えています。
2017年現在の女性比率は16%、女性管理職比率は8%となっていますが、採用においても男女比率を50:50に近づけていきたい。それも当然の流れだと考えています。
また、若手女性社員向けのキャリア開発研修の実施、育児休職中の女性社員への会社情報の提供、復職後のキャリア形成などを目的とする研修の実施など、入社後の活躍を後押しする取り組みも積極的に行っています。
そのほか、女性が子育てをしながら仕事をつづけられるよう、事業所内保育施設「ハッピーローソン保育園」を2014年に設置しました。育休明けの復職率はほぼ100%に達しています。
女性であれば結婚や出産などのライフイベントに伴い、産休や育休をしっかりと取得していただく必要がありますし、また会社に戻ってきていただくためにも、ライフイベントに合わせた具体的な取り組み、様々な働き方の選択肢をつくりながら、働く環境を能動的に整えていきたいと思っています。
そのように多様な価値観を受け入れていくうえで大切になっていくのは、リスペクトし合うということだと思っています。女性はライフイベントの機会もございますし、そうした側面をしっかりと男性側も理解し、リスペクトする。その上で共に働いていくことが何よりも重要です。
我々はFor the Companyを掲げ、多くの従業員が一緒に働く組織の一つです。その中で従業員一人ひとりの価値を社会に提供していくためには、色々な働き方があっていいでしょうし、時間や場所に捉われない働き方があってもいいわけです。だからこそ、それをリスペクトし合うことが何より大切になっていくのだということです。常にお互いを思い合い、時代の流れに合わせて、一人ひとりの価値観に合った然るべき多様な働き方の選択肢をつくっていきたいですね。