国際女性ビジネス会議
株式会社イー・ウーマン(代表取締役:佐々木かをり)が主催する国際女性ビジネス会議。第22回目の開催となった今年のテーマは「Act Positive」。初の女性東京都知事が誕生した2017年、ダイバーシティの意味はさらなる重みを増し、まったなしの状況だ。
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※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

INTERVIEW

22年前に初めて国際女性ビジネス会議が開かれた当時、働く女性がお互いにつながれるようなコミュニティはなかった。主催の佐々木かをり氏は、「当時は、男女平等やダイバーシティを掲げたのではなく、単純に働く女性が意識を高め合える場が欲しかった」と語る。しかし22年目を迎えた今、国際女性ビジネス会議の意義は当時の構想を遥かに超え、世界中に広がりをみせている。10時間のプログラムで「本当のダイバーシティが体験できる」国際女性ビジネス会議の様子を取材した。

国際女性ビジネス会議

変わったものはなにか

オープニングに赤のドレスで登場した佐々木氏。まず「一人の人間は22年で大きく成長するけれど、日本はどれくらい成長したでしょう?」と問いかけた。昨年度のテーマは「THINK BIG」だった。今年のテーマを「ACT POSITIVE」にした理由を、視野を大きく持って考えるフェーズから、実際に行動に移すフェーズになったからであるとスピーチ。22年続く国際女性ビジネス会議だが、ダイバーシティが人権問題や男女平等問題と認識されていた20数年前から比べ、今ではダイバーシティは企業の施策、社員満足度に直結する立ち位置になり、ガバナンスとイコールとされるまでに至った。

佐々木氏に続いて壇上にたった小池百合子東京都知事も、国際女性ビジネス会議の持つ意義に敬意を評しながら、自身がトップを務める東京都においても、「都庁を女性活躍のモデル組織にしたい」と語った。また「日本ではまだ十分進んでいないからこそ、これからもっとのばしていけるし、大きな力になり得る。その意味を込めて、待機児童対策、働き方改革、女性ベンチャーの支援などを東京都として応援していく」と述べ、「2020年の3月末までには保育サービスを7万人増やしていく」「働き方改革宣言をした企業を現在の1000社超から5000社まで増やしていく」など、具体的な目標値も示した。

社会全体で子供を育てる

国際女性ビジネス会議 午後のプログラムでは衆議院議員の小泉進次郎氏が登壇。佐々木氏とのトークショーが行われた。小泉氏は自身の提案する政策である「こども保険」について触れて、「教育国債や消費税など、こども・子育て向けの財源について、色んな議論がありますが、私が提唱しているのが『こども保険』社会全体で子どもを支える持続可能な仕組みです」と説明した。佐々木氏も「本日の事前アンケートで、子供がいる参加者が42%で、半数以上が子供を持っていない」事に触れ、「まずは子供を社会全体で育てるというマインドを、私たちから始めましょう」と提言した。

さらなる「ACT」にむけて

国際女性ビジネス会議 会議後半のインタビューで佐々木氏は、「毎年そうなんですが、10時間に及ぶ会議に参加した皆さん、参加する前よりも、参加した後のほうが元気でエネルギッシュなんです。私はこれを【細胞エステ】と呼んでいますが、この会議を通じて、元々持っていた働く目的に立ち返ったり、深く考えることによって新しい意味や目的を見出したりすることができるんです」と語った。確かに、会場を見回すと参加者の顔は輝いており、暗い影などは微塵も感じられない。「頭では、やらなければならないとわかっていたダイバーシティを、ここ数年でようやく、行動(ACT)に移すことが実現されつつあります。ここからまた一つ一つ実行していきたい。そこに賛同し、ともに実行してくれる企業が今後も増えていくことを期待します」と語った。